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2015年09月23日

んはけっして

 それはさておき、怪獣男爵がヘリコプターで、迷宮島へおりたつぎの日の、日が暮れてからまだまもないころのことだった。
 おりからの月明かりをたよりに、迷宮島の東の入江へ、しずかにこぎいれていく小船が二そうあった。いずれもこのへんの漁師がつかう、ふつうの小さい漁船である。
 それにしても、人もおそれるこの島へ、しかも日が暮れてから近づくとは、なんという大胆な人々だろうと、よくよく見ればそれもそのはず、これこそは怪獣男爵のあとを追って、東京から鑽石水やってきた金田一耕助とその一行ではないか。
 まず、先頭の船にのっているのは、金田一耕助と等々力警部、それからどくろ男の鬼丸太郎。
 第二の船には立花滋と謙三、むろん、どの船にもひとりずつ、警官がのっていて、船をこいでいるのだ。
 二そうの船はしずかに入江のおくへすすんでいく。空には|利《と》|鎌《がま》のような月がかかって、月光のなかにくっきりと、城のようなたてものがそびえている。それを見ると滋は、武者ぶるいが出る感じだった。
 やがて船が船着場へつくと、鬼丸太郎がまず第一に船から陸へとびあがった。それにつづいて金田一耕助と等々力警部。滋も謙三といっしょに船からあがった。
 やがて一同が上陸すると、鬼丸太郎が先頭に立ち、島のおくへとすすんで行った。だれひとり口をきくものはなく、おとなたちはかた手にピストル、かた手に懐中電燈を持っていたが、さいわいの月明かりに、懐中電燈の必要はなさそうだった。
 いくこと一キロあまりにして、一同は、はば十メートルばかりの|堀《ほり》のそばに着いた。見ると対岸には高い城壁がめぐらしてあり、正面にはアーチがたの城門が見え、その城門のすぐ前に橋がななめに、空にむかってはねあげられているのだ。金田一耕助は橋を見あげながら、
「鬼丸さん、あの橋がおりてこなければ、われわれはこの堀をわdream beauty pro新聞たることができませんね」
「だいじょうぶ、こちらからでも橋をおろすことができます。怪獣男爵が気がついて、そのしかけをこわしていないかぎりは……」
 鬼丸太郎は堀についている石段を、五、六段おりていくと、石がきの石を一つとりのけ、穴のなかへ両手をつっこみ、ハンドルをまわすような手つきをしていたが、するとどうだろう。あのはね橋が音もなく、こちらへむかっておりてくるではないか。
 一同が思わず、手に汗をにぎっているうちに、橋はぴったり一同の前におりた。
 鬼丸太郎は石段をのぼってくると、
「さすがの怪獣男爵も、このしかけには気がつかなんだとみえる。さア、じゃまのはいらぬうちに橋をわたってしまいましょう」
 滋はまるで、おとぎばなしの国へ来たような気持ちである。橋をわたると城門には大きな鉄の扉がしまっている。
 鬼丸太郎はポケットから古びた鍵をとりだすと、やがて鉄の扉は八文字にひらかれた。そのとき鬼丸太郎は一同をふりかえり、
「さア、われわれはこれから大迷宮のなかへはいるのですが、みなさわたしのそばをはなれてはなりませんぞ。大迷宮のなかで迷うと、とてもそとへは出られませんからね」
 それを聞くと一同は、思わずさっと緊張した。滋も胸がどきどきしてきた。
 扉のなかは短いトンネル。そのトンネルをぬけて、城壁のなかへ一步足をふみいれたせつな、滋はまた、おとぎばなしの国へ来たような、なんともいえぬ不思議な気がした。
 そこには半径二十五メートルばかりの、コンクリートでかため鑽石水た広場が、正確な半円をえがいているのだが、その周囲には高さ五メートルばかりのコンクリートのへいが、ずらりとめぐらしてある。そしてそのへいのはるかかなたに、物見やぐらが見えるのだ。
 鬼丸太郎はそれを指さし、  

Posted by 千言萬語說不清 at 16:29Comments(0)