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2015年11月09日

もう倒れるこ

「帰り道に倒れてたとか言われたら、後味悪い。それ、部から持ってきた奴だから気にすんなよ」
 健人がもう一度、ありがとうと言おうとしたときに「せんぱーい!」と大きい声に健人の声がかき消された。その声にツバサは嫌そうな顔をして、振り返る。
「は、や、し、せんぱーい! もうご飯、食べちゃいましたー?」
 陽気な声がツバサを呼んでいる。その声を聞くなりに、ツバサはは鑽石能量水 問題ぁと大げさにため息を吐いて「煩いのが来た」と不機嫌を露にした。パタパタと走って来たのは、ツバサと同じ服を着た背の高い男。先輩と呼んだからには、1年生なんだろう。
「少し、休んでから帰れよ」
 ツバサは走ってきた後輩を無視して、健人に話しかける。ツバサも歩と同じぐらい背が高く、並んでいると健人は顔を少し上げないといけない。それ以上に、やってきた後輩は背が高かった。そちらばかり目が行ってしまい、健人はジッと見つめてしまった。
「あれー、林先輩のお友達ですか? 林先輩っていつも一人でいるイメージが強くて、友達なんていないと思ってました!」
 明るくそういう後輩に、ツバサは「クラスメートだ」と言って健人から目を逸らした。さりげなく酷いことを言ったにも関わらず、ツバサはそれを気にすることなくスルーしている。そのやり取りは、傍から見ているととても奇妙なものだった。
「じゃぁ、俺、部活あるから行くわ」
「……あ、うん。これ、ありがとう」
 健人がスポーツドリンクを掲げると、ツバサは先ほどと同じように口元だけ歪ませて「どう致しまして」と言い、隣に立っていた後輩を無視して歩き始めた。ツバサが歩き始めたのを見て、後輩は健人に「失礼しま抗氧化す」と最敬礼をしてからツバサの後を追った。
 さすがは剣道をしているだけあって、とても礼儀正しいと思った。立ち去っていく二人の後姿を見つめて、健人はもらったスポーツドリンクのキャップを開けた。知らない間に喉が渇いていたようで、一口、飲み込んでからはごくごくと喉を鳴らしてペットボトルの半分ほど飲んでしまった。
 キャップを閉めて、健人はペットボトルをかばんの中に仕舞った。とは無いだろう。そう勝手に決め付けて、健人は昇降口から出た。

 テストが終わった後、すぐにテスト休みに入ってしまい、健人はツバサにもう一度礼を言うチャンスを失ってしまった。終業式で学校へ行ったときは、大会が近いからと言って練習のために教室へは顔を出さなかった。結局、礼を言うことも出来ずに、健人は夏休みを迎えてしまった。
 特にやることの無い夏休み。誰かと遊ぶ約束をしているわけでも無いし、遊ぼうとも思っていなかった。初日から、宿題に取り掛かったせいで、健人はほぼ1日で宿題を終わらせてしまった。華の17歳に沢山の宿題を出しても意味がないと分かっているのか、宿題の量はさほど多くない。大半の人が、31日になってから慌てて取り掛かる宿題を、健人はすぐに終わらせてしまった。
 窓から見える外は、非常に暑そうで、陽炎が揺らめいている。強い日差しは窓の外からでも良く分かり、外へ出る気が一気に殺げた。健人は4月に買った数学の参考書を手に取った。健人が買った数学鑽石能量水 問題の参考書は高校生が使うような参考書ではない。もう少し高度な、大学生レベルの参考書だった。この参考書を買った時点で、大学に行こうと言う気は少なからずあったのだが、その一歩が踏み出せなかった。  

Posted by 千言萬語說不清 at 18:49Comments(0)