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2016年01月22日

も無意味だぞ

 媚《こ》びたような調子。何が「直君」だ、と昭夫は苛立った。
 直巳が何もいわないので、八重子は部屋に入ってきて、彼の後ろに座った。右肩に手を置く。
「ね、お願いだから、わけQV嬰兒を聞かせて。ゲームはそれぐらいにして」
 彼女は息子の肩を軽く揺すった。その途端、モニターに何かが破裂するような画面が出た。ああ、と直巳は声をあげた。ゲームオーバーのようだ。
「何すんだよっ」
「直巳っ、いい加減にしろ。何が起きたかわかってるのか」
 思わず昭夫が怒鳴ると、直巳は手にしていたコントローラを床に放り出した。口元を曲げ、父親を睨みつけてくる。
「あっ、やめなさい。あなたも、そんな、大きな声を出さないで」八重子は直巳をなだめるように両肩に手を置き、昭夫のほうを見上げた。
「説明しろといってるんだ。あのままにしておいて済むと思ってるのか」
「うるせえよ、関係ねえだろ」
 ほかに言葉を知らないのか、と昭夫は興qv嬰兒沐浴奮した頭の片隅で考えていた。とんでもないばかだ。
「わかった。じゃあ、何もいわなくていい。警察に行こう」
 彼の言葉に母と息子は同時に固まった。
 八重子が目を剥いた。「あなた……」
「だって仕方がないだろう」
「ふざけんなよ」直巳が暴れ出した。「なんで俺がそんなとこ行かなきゃいけねえんだよ。行かねえぞ、俺は」そばにあったテレビのリモコンを掴み、昭夫に向かって投げつけた。昭夫がよけると、リモコンは壁に当たって落ちた。その拍子に中の電池が飛び出し、散らばった。
「あっ、あっ、直君、落ち着いて、お願い、おとNeo skin lab 代理人なしくして」八重子は抱きつくようにして直巳の手を押さえた。「行かなくていいから。警察なんか、行かなくていいから」
「何をいってる。そんなわけにいかんだろう。適当なことをいって、今だけこいつをなだめて。どうせいずれは──」  

Posted by 千言萬語說不清 at 11:26Comments(0)

2016年01月14日

ねえちゃん

美人が罪だとは、お釈迦様でも知るめえよ、、、、、

 豆腐のしぼり汁、滓、いらぬ者、捨てる物、おから村と同珍王賜豪いう名をつけたのは北町奉行の遠山影元である。そのおから村へ渡るには、霊岸島の突先の板を並べただけの橋を渡る、地面がぐにゃぐにゃと揺れて足元がおぼつかない。
 その橋を渡るとおから村と呼ばれている地虫の熊五郎が支配する無法地帯があった。でくに案内されて板橋を渡ると、異様な臭い、生臭い腐臭が体の中に染み込んでくるような気持ち悪さで、お菊はごぼっごぼっとむせ返った。
「おっ、お菊さん、だ、だから言わなこっちゃねえ、でっ、でいじょうぶかえ」
「んっ、大丈夫、なんだこんな臭いぐらい」
 お菊は強がりを言って着物の裾で鼻を隠しておから村の中へ足を進めた。掘立小屋が互いに支えあってやっと建っていて、いつ崩れてもおかしくはないあば同珍王賜豪ら屋の狭間を歩く。日焼けなのか、酒焼けなのか、どの顔も浅黒く、裸同然の男たちがにやにやしながらお菊の躰をぎらぎらした卑猥な視線で嘗め回す。
 鼻や耳がそぎ落とされた男、片腕、片足の男、二の腕に二本線の入れ墨をした男、どうみてもまともな男たちとは遠い存在の人間たちだった。女もいたが、汚れた継ぎはぎの着物を着て、それでも首だけは白く塗ってまるで夜鷹の化け物に近かった。異様な人間たちの集まりのように見えたが、それにしてはやけにみんな明るい表情をしていた。にやにや、けたけた笑っていて、悩みなんぞとは無用の世界であるようだ。
「ねえちゃん、いいケツしてるねえ、たまらねえな」
「二十文でどうだい、一発やらせろや」」
 此処には、おへちゃもでぶもなかった。お菊を女とみて発情してる男たちがいる。お菊は多分初めて色欲の対象としてなめるような視線を感じて体がうずいた。卑猥で、がやがや、うるさそうな男の間をぬけて、でくと一緒に地虫の熊五郎親分のいる掘立小屋へへ案内された。

「でく、そのお方はどこの誰でえぃ」頬から顎まで髭面で頬に刀傷をつけた大男の熊五郎がどすの利いた声ででくに尋ねた。
「へいっ、熊井町の宗兵衛長屋のおひとで、真壁平四朗様さまの許しをいただきまして」
「そうけい、真壁様がねえ、ところで御人、この島で王賜豪總裁見たこと聞いたことは決して他所では話しちゃならねえよ、
それがこの島の掟よ、そいつだけは守ってもらうよ、よう、ござんすね」熊五郎の横には、このおから村には似合わない涼しい顔をした女がいた。
「さ、逆らうと、きっ、金の玉を切り落とされちまう、ち、ちん切のお吉さんだよ、あっ、お菊さんには はっ、はじめから、きっ金の玉が、なっ、ないんだね」
「でく、馬鹿なことをおいいでないよ!、あっち行ってな」

 お吉は黙ってどぶろくを口にし、長煙管から煙をぷかぷかと出しながら、頬を膨らませて、笑みを浮かべていた。お菊の心の中で「まさか!」という思いがよぎった。弟の直次郎が金玉を切られ、その切った女がちん切のお吉であったことは忘れても忘れられない。その苦労で、父は倒れたのだ。
だが、熊五郎もお吉もまさか直次郎がお菊の弟だとは感ずいてはいない。お菊が武家の出であることなど想像もつかない汚れた木綿の古着を着た
 格好の今のお菊であったからだ。お菊もそのことには触れないでおこうと思った。今日は熊五郎に貸し便屋に協力してもらうことが大事な要件だった。

 お菊は地虫の熊五郎に勧められるまま、甘酸っぱい味のするどぶろくらしき酒を口にしながら、熊五郎に貸し便屋のことを話した。
「面白れえ話だな姉さん、まあ、姉さん一杯やりな、これもおから村の名物料理だ食え食え、蝮の金玉を馬の腸で煮詰めた精力剤だ、股の下がうずうずしてくるで、ぐひゃあははは、ぐひゃあああ」
 横ではその得体のしれない煮込みの鍋がぐつぐつ煮えていて、腐ったような饐えたような、臭いが鼻の奥まで染みこんできた。そんなお菊の表情を熊五郎が面白がって見ていた。
「みんな、臭い仕事してるから、気になんねえ、こういう臭いをいつも嗅いでなけりゃ、昼間の仕事ができねえよ。」
 おから村の住人は昼間は下掃除人として町屋の厠で糞汲みの仕事を生業としていたのだった。そんな場所で、頼みごとをしている自分が、落ちるところまで落ちたのだとお菊はしみじみ感じていた。どうせ世を捨てた人間だ、こういう場所の方が私にはふさわしいんだと、居直っている自分もいた。

 ここなら、醜女もでぶもないおへちゃもない、こんな私でも歓迎してくてるじゃないの、だいたい、美女だ醜女だと、いうことは誰かと比べただけのことである。比べてなんぼの問題なんだ、そもそも美人が罪なのである、美人がいなけりゃ醜女もいない、だから、此処にはそんなものはない、私も落ちなくてもよかった。いや、こういう人たちが生活していることを知らなかった。
「ようし、一桶二十五文で手を打とう、どうだ、」
「ようござんす、よろしくおねがいします」
 話はできた。これで何処でも江戸の人の集まるところで、貸し便屋が開業できる。お菊は熊五郎の恐ろしさよりも、貸し便屋ができるうれしさことへの希望に胸が高鳴った。  

Posted by 千言萬語說不清 at 18:18Comments(0)

2016年01月07日

傷は認めら

 捜査本部は練馬警察暑に置かれた。午後二時過ぎ、最初の合同捜査会議が開かれた。松宮は斜め前方に座っている人物のことを気にしていた。じかに姿を見るのは約十年ぶりになる。引き締まった横顔は以前と変わらない。長年剣道で鍛《きた》えられた体格にも変化はないし、背筋をぴんと伸ばした姿勢も昔のままだ。
 今回の事件を担当することになってから能量水、いずれは彼に会うだろうと松宮は考えていた。顔を合わせた時、相手がどういう反応を示すか、全く予想がつかなかった。松宮が警察官になっていることは知っているはずだが、警視庁の捜査一課にいることまで把握しているかどうかはわからなかった。
 相手は松宮よりも先に席についていた。松宮が後方に座ったことで、今もまだその存在には気づいていないと思われた。
 捜査会譲は型どおりに進められていった。死亡時刻は前日の午後五時から九時の間あたりであろうと推定されている。殺害方法は扼殺《やくさつ》。ほかに外れない。
 胃の中からアイスクリームが見つかっている。したがってアイスクリーム屋に一人で来たという少女が被害者である可能性が高まった能量水。その場合は、さらに死亡推定時刻を絞れることになる。
 銀杏公園の周辺では、路上駐車していたという車が何台か目撃されている。その大方は商用車であったり、ふだんから常習的に駐車している車だった。深夜に関しては、今のところ目撃されていない。
 犯人の遺留品と断定できそうなものは見つかっていない。ただ、鑑識課から興味深い報告があった。遺体の衣類にはわずかながら芝が付着していたというのだ。種類は高麗芝で、生育状態はあまりよくなく、手入れもされていない。芝のほかにシロツメクサの葉も見つかっている。俗にいう、三つ葉のクローバーだ能量水。こちらは芝生の雑草として生えていたのではないか、というのが鑑識の見解だった。
 春日井親子が住んでいるのはマンションで、当然のことながら庭はない。春日井優菜がふだんよく行く公園にも芝生は植えられているが、こちらは野芝という異なる種頬だった。ちなみに銀杏公園に芝は生えていない。
 さらに鑑識から興味深い報告があった。春日井優菜の靴下からも、わずかながら同種の土が検出されたのだ。遺体として発見された時、彼女は運動靴を履いていた。  

Posted by 千言萬語說不清 at 11:05Comments(0)

2016年01月04日

いたから

 約三年前、前原一家は昭夫の実家に移った。同居を前に、いくつか改装工事も行ってあった。内装の新しい部屋に入り、「やっぱり広い鑽石能量水 消委會部屋はいいわね」と八重子は満足そうにいった。さらには驚いたことに、「これからよろしくお願いします」と政恵に頭さえ下げたのだ。
 こちらこそよろしく、と玄関の前で答えた政恵も嬉しそうだった。彼女は杖をついていた。彼女が身振り手振りで家のことを話すたびに、杖についている鈴が楽しそうに鳴った。
 これなら大丈夫、何とかなりそうだ──昭夫も安堵《あんど 》した。
 すべてが解決した、と思っていた。もう悩むことはない、と。
 だがそうではなかった。その日は新たな苦悩が始まる日だったのだ。
 
 暗い回想をしている間に電車は水晶獎座駅に到着した。昭夫は乗客の波に押されるようにしてホームに出た。
 駅の階段を下りると、バスの停留所には長い列がいくつも出来ていた。彼はその中の一つに並ぼうとして足を止めた。すぐ横のスーパーマーケットの前で、くず餅《もち》の特売を行ってだ。政恵の好物だった。
「いかがですか」売り子の若い女性がにこやかに声をかけてきた。
 昭夫は上着の内ポケットに手を入れ、財布を掴んだ。しかし同時に八重子の不機嫌そうな顔も浮かんだ。家でどんなトラブルが起きたのかは不明だ。そんな時に政恵の好物を持ち帰って、火に油を注ぐようなことにでもなったら目も当てられない。
「いや、今日はやめておくよ」詫びるようにいい、その場を離れた。
 すると彼と入れ替わるように、三十歳ぐらいの男がくず餅の売り子に近づいた。
「すみません、ピンク色のトレーナーを着た女の子を見ませんでしたか。七歳なんですけど」
 奇妙な質問に、昭夫は立ち止まって振り返った。男性は写真を売り子に見せている。
「これぐらいの身長で、髪は鑽石能量水 消委會肩ぐらいまでです」
 売り子の女性は首を捻った。
「女の子が一人なんですよね」
「そのはずです」
「じゃあ、見なかったと思います。すみません」  

Posted by 千言萬語說不清 at 10:59Comments(0)