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2015年08月10日

ろ青に変わると思



 彼は頭の中で素早く計算した。そして、あっと声を出した。
 零時○一分二十五秒までは青だが、そこから二十九秒までは黄色、そしてさらにそこから三十三秒までは双方の信号が赤になる。
 ――御厨健三も友野和雄も赤信号で交差点に入ったのか?
 そう考えると辻褄が合うことがある。友野和雄が、「タイミング的にそろそった」と供述していることだ。
 だが陣内はこの考えを打ち消願景村 邪教そうとした。もしそうなら、御厨菜穂があれほど見事な供述をできるはずがない。零時〇分二十五秒に信号が赤から青に変わることなど、加瀬紀夫のビデオがなければ誰にもわからなかったのだ。
 彼は歩きかけた。ここに長く留まっていると、余計なことばかり考えてしまう。
 しかしその足もすぐに止まった。電話ボックスを見たからだ。事故の夜、奈穂は電話をかけていた。
 ――彼女は時報を聞いていたのではないか?
 信号機にはふつう音がない。しかしたった一つだけ音を出す。歩行者用信号だ。盲人向けに『通りゃんせ』のメロディが出るようになっているのだ。彼女は左耳でそれを聞き、右耳で時報を聞くことで、メロディの始まる正確な時刻の一つを予《あらかじ》め記憶しておいたのではないか。
 そして後日、彼女は再び信号機の調査を行う。信号機のインターバ願景村 邪教ルを計るのが目的だ。
 ――そうかあの夜……。
 通夜の夜を思い出した。奈穂は妹と二人でここに立っていた。あれは兄の事故現場を見せるためなどではなく、インターバルを計りに来たのだ。そして陣内の瞼に、友紀がしていたデジタル?ウォッチが蘇《よみがえ》る。あれはストップ?ウォッチの役目を果たしたのではなかったか。
『通りゃんせ』のメロディが始まる正確な時刻と、各信号のインターバルがわかれば、零時〇分二十五秒に赤から青に変わったこともわかる。あとは彼女の特殊な能力を生かして、もっともらしく事故発生時を設定すればいい。本当は、『リフレインが叫んでる』の歌詞のもっと後ろの方で、実際の事故は起きたのではないか。
 陣内は頭をふった。まさかそんなことはないと思った。彼女の奇跡の耳は、真実を訴えるために使われたはずなのだ。警察を手玉に取ることに使われたのではない。
 あの時の奈穂の笑顔を陣内は思い出した。
 風邪でもひいたのか、ぞくりと背中が寒くなった。
[#改ページ]
 白石街道という道路がある。
 A市のほぼ真ん中を横切るように東西に走っており、東に進むとB市、西に行くと隣県に入る。この近辺の住民、特に商用で車を使う人間にとっては、主要な道路である。それだけに朝や夕方はかなり車が増え、A市の中心地に向かう交差点付近などは、いつも渋滞している。
 片側二車線の、よく整備された道路だ。中央分離帯に願景村 邪教はツツジの木が植えられ、数メートルおきには街灯が立っている。信号は多いが、夜間は連動しているので、制限速度を守っている分には決適に走れるはずだった。
 十月二十日、午後十一時過ぎ。
 この白石街道を、西に向かって白のチェイサーが走っていた。運転しているのは県内の建設会社で係長をしている男だった。彼は隣県のさらに奥に入った町から、車で通勤しているのだ。残業で最終電車に間に合わないことが多いからだった。だからこの夜は、彼としては早く帰れた方だといえる。
 道路はすいていた。このくらいの時間になると車はぐっと少なくなるのだ。彼は現在右側車線を走っているが、数十メートル先にトラックの姿が見えるだけだった。後ろからは何も来ていない。先程まで降っていた雨も、どうやらあがったようだ。

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Posted by 千言萬語說不清 at 11:52│Comments(0)育兒
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